第16回ナノ医療イノベーションセンターcenter of open innovation network(COINS)全体会議で市野瀬慶子先生がBest Presentation Awardを受賞しました。

2021年6月14日に開催されたナノ医療イノベーションセンター center of open innovation network (COINS) 第16回全体会議で、大学院生の市野瀬慶子先生が、横田先生・石橋哲先生の指導のもと李富莹先生らと行った研究「Preferential delivery of lipid-ligand conjugated DNA/RNA heteroduplex oligonucleotide to ischemic brain in hyperacute stage」を発表し、Best Presentation Awardに選ばれ、COINS研究統括の片岡一則先生より賞が授与されました。

我々はこれまで脳梗塞急性期で脂質関連受容体が脳血管内皮細胞に強く発現することを見出しています。本研究では脂質ライガンドを結合させたヘテロ核酸を用いることで、脳梗塞モデルマウス超急性期において非常に高い効率で虚血部位選択的に薬剤送達を達成させることが明らかなりました。また虚血部位選択的な遺伝子制御の結果、脳梗塞領域の大きさや血管新生などのphenotypeも変化させることが確認されました。今後の臨床応用が期待されます。

第15回パーキンソン病・運動障害疾患コングレスで佐野達彦先生が最優秀演題発表賞(基礎部門)を受賞

7月1-3日に仙台で開催された第15回パーキンソン病・運動障害疾患コングレスで、大学院生の佐野達彦先生が永田哲也先生の指導の下で行った研究「アンチセンス核酸による異常αシヌクレインの伝播抑制」の発表が最優秀演題発表賞(基礎部門)に選ばれ、大会長の武田篤先生より表彰されました。(大阪大学の望月秀樹先生、東京都医学総合研究所の長谷川成人先生との共同研究です。)

本学では阿部圭輔先生、大久保卓哉先生から長年行ってきたシヌクレインのpropagationに関する研究において、永田先生、佐野先生はシヌクレインのpropagationモデル動物を用いて、アンチセンス核酸による異常シヌクレインのプリオン様伝播の抑制効果を検証しました。その有効性の高い投与タイミングや脳の部位効果について検討し、現在進行している核酸医薬によるαシヌクレイノパチーの治療において、この研究結果が今後生かされることが期待されます。

横田隆徳

第62回日本神経学会学術大会で三浦元輝先生が一般演題最優秀ポスター賞(基礎部門)を受賞

5月19日~22日に京都で開催された日本神経学会学術大会で、大学院生の三浦元輝先生が坂上史佳先生、石黒太郎先生の指導の下で行った研究「TDP-43-specific aptamer rescues ALS phenotype in TDP-43 transgenic mice」の発表が一般演題最優秀ポスター賞(基礎部門)に選ばれました。

本研究は水澤英洋先生、石川欽也先生、佐藤望先生らが、脊髄小脳失調症31型(SCA31)の原因として同定したTK2・BEAN1遺伝子の繰り返し配列を含むncRNAが、佐藤望先生によってTDP-43蛋白質と結合することが明らかにされ、石黒先生によってショウジョウバエで見られるTDP-43の凝集と毒性を軽減することが示されました。そこで核酸グループがTDP-43蛋白質と結合して凝集を抑制する新規のタンパク結合性核酸医薬(アプタマー)の配列と分子構造、化学修飾をデザインし、特許出願しました。

本研究ではTDP-43を過剰発現するALSモデルマウスにおいてこのアプタマー核酸を投与することで、症状の改善を認めました。当科の水澤先生の時代の成果が引き継がれて発展した研究結果であり、このアプタマー(ベイト)核酸のALSの根本治療としての発展をさせるべく研究を推進しております。

2020年11月30日、12月1日に核酸医薬シンポジウム2020が開催されました。

2020年11月30日、12月1日に核酸医薬シンポジウム2020が、医科歯科大学主催で開催されました。この学会は当科で力を入れて研究を進めている核酸医薬の臨床応用を目指すための学会で、薬学、分子生物学、核酸化学、遺伝子工学の基礎研究室や製薬企業も多数参加しています。本来ならば毎年6-7月に年会を行っておりますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年に延期となったため、横田が理事長を務めている関係から当科主催でオンラインシンポジウムの形で開催いたしました。結果としては例年の倍に近い1500人以上の参加があり大盛況となりました。吉岡先生、浅見先生をはじめとして主催に尽力いただいた方々に感謝いたします。

なお、この中で、永田先生が「国内初のデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する核酸医薬品ビルトラルセンの開発」で日本核酸医薬学会 学会特別賞を受賞されました。また、吉岡先生が「新規2本鎖核酸による遺伝子制御効果・安全性の向上および生体内核酸分子機構の解明」で日本核酸医薬学会 奨励賞を受賞されました。この受賞の詳細は後日に報告します。

横田隆徳

横手裕明先生が令和2年度日本神経免疫学会研究創世賞優秀賞を受賞

新渡戸記念中野総合病院の主任医長の横手裕明先生が、「多発性硬化症(MS)における脳萎縮と腸管透過性の関連を探索する前向き研究」という研究課題を申請し、令和2年度日本神経免疫学会研究創世賞優秀賞を授与されました。同賞はコスミックコーポレーションの寄付により2014年に設置された賞で、歴代受賞者には中島一郎先生(現・東北医科薬科大学脳神経内科)など第一線でご活躍の先生方が名を連ねておられます。

横手先生が2008年に「腸内細菌」とMSとの関係を初めて報告して以降、「腸内細菌」のMSの発症や病型に関与する可能性が相次いで報告されております。現在の研究の焦点の1つは腸と脳をつなぐブリッジの解明です。そこで、本研究ではそのブリッジのひとつと考えられる「腸管透過性」と、MSバイオマーカーとして確立しつつある「脳萎縮」との関連を前向きに検討しています。今後、MSの病態における腸脳連関の役割の解明が加速されることが期待されます。

横田隆徳

第12回 CBIR/ONSA/大学院セミナー共催 若手インスパイアシンポジウムで浅見裕太郎先生が最優秀ポスター発表賞を受賞

2月12日に東京医科歯科大学で開催された第12回 CBIR/ONSA/大学院セミナー共催 若手インスパイアシンポジウムで、大学院生の浅見裕太郎先生が永田哲也先生、吉岡耕太郎先生と行った研究「DNA/DNA二本鎖核酸によるin vivoでの効率的な遺伝子制御」の発表が最優秀ポスター発表賞に選ばれ、CBIRセンター長の岡澤均教授より賞が授与されました。

我々が開発したDNA/RNAヘテロ二本鎖核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を発揮することを報告してきましたが、本研究ではDNA/DNA2本鎖(化学修飾はヘテロ)を基本とする構造でもアンチセンス核酸の効果を高めることを示されヘテロ核酸の概念が拡張され、今後の臨床応用が期待されます。同門として浅見先生の受賞を喜びたいと思います。

横田隆徳

第31回日本神経免疫学会学術集会で大谷木正貴先生がYoung Neuroimmunologist Awardを受賞

9月26日~27日に千葉で開催された日本神経免疫学会学術集会で、大学院生の大谷木正貴先生が永田哲也先生の指導、西李依子先生の協力で行った研究「DNA/RNAヘテロ2本鎖核酸によるリンパ球制御を介した神経免疫疾患の新規治療法の開発」の発表がYoung Neuroimmunologist Awardに選ばれ、大会長の桑原聡教授より賞が授与されました。

従来、リンパ球は遺伝子導入効率が極めて低いとされてきましたが、本研究では我々の開発したヘテロ核酸が静脈投与によって末梢血リンパ球をはじめとしたマウスリンパ系組織のリンパ球の高効率な遺伝子制御が可能とする基盤技術になることを明らかにしました。さらにVLA4標的ヘテロ核酸の投与によって多発性硬化症モデルマウスの有意な治療効果を発揮しました。ヘテロ核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を達成しており、リンパ球の病態が関与する免疫性疾患、神経疾患、がんなど数多くの疾患群の治療に新規の基盤分子技術としてヘテロ核酸の実臨床への応用が期待されます。

第60回日本神経学会学術大会で高橋直先生が医学生・初期研修医口演セッションで最優秀賞を受賞

東京医科歯科大学 神経内科 医局同門会会員各位

嬉しい報告があります。

5月22日~25日に大阪で開催された日本神経学会学術大会の医学生・初期研修医口演セッションで2年目の初期研修医の高橋直先生の発表した“Width of the third ventricle is high-sensitive marker for chronic progressive neuro-Behçet’s disease”の演題が最優秀賞に選ばれました。抄録審査で6名に絞られた後、口演による審査の結果、1名の最優秀賞が選ばれるもので、閉会式では大会長の楠先生より賞の授与がなされました。本研究は三條伸夫先生の立案と指導のもと、慢性進行型神経ベーチェット病の脳萎縮の進行を急性型と比較して経時的に解析した研究です。今後は、慢性進行型神経ベーチェット病の脳萎縮の病態をバイオマーカーで明らかにし、さらに発展できればと考えています。
高橋直先生と三條伸夫先生の栄誉を称え、日本神経学会、医学生・初期研修医口演セッション最優秀賞の受賞を医局同門の皆で喜びたいと思います。

横田隆徳

核酸医薬学会(OTS)のBoard of Directorに選出されました

当科教授の横田隆徳先生が、、欧米の核酸医薬の最大の学会である核酸医薬学会(OTS;Oligonucleotide Therapeutics Society)の執行部であるBoard of Director(14人)に全会員による直接選挙で選出されました。

会員の主体は科学者(PhD)で医学者(MD)は横田先生を含めて4人で、アジアからは初めての選出です。横田先生はもともとOTSのScience committee memberとして国際的に活動してきましたが、2015年に横田先生が中心になって日本に日本核酸医薬学会を設立、OTSとの連携関係を確立したこと、横田先生ご自身のヘテロ2本鎖核酸とそのバイオベンチャーであるRENA therapeuticsが欧米でも認知され始めてたことが、今回の選出の理由になったようです。

9月にDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)へのアンチセンス核酸がFDAに迅速承認され、急速に核酸医薬の臨床応用が発展するなか、神経筋疾患はその中核であって、すでにALS,SMA,Myotonic dystrophy,FAP,多発性硬化症,ハンチントンの臨床試験が進行しています。日本は核酸医薬の臨床応用は欧米より遅れていますが、東京医科歯科大学はAMEDから日本の核酸医薬の研究開発拠点に指定され、臨床応用に向けて大きな発展が期待されています。全世界の核酸医薬の発展と日本がその中心になることに横田先生と東京医科歯科大学は期待されています。

第21回日本神経感染症学会総会・学術大会で天野永一朗先生が最優秀口演賞を受賞

大学医員の天野永一朗先生(現土浦協同病院)は、三條先生などの指導のもと第21回日本神経感染症学会総会・学術大会において「免疫不全症およびParvovirus B19感染症を背景に脳炎を発症した48歳女性例」の症例報告を発表して、見事に症例報告部門の最優秀口演賞を受賞されました。本発表は遅発性の免疫不全症を背景に、Parvovirus B19の持続感染と感染後の繰り返すParvovirus B19脳炎を発症した症例です。遅発性の免疫不全症に脳炎を合併した初の成人例であり、フローサイトメトリーで脾臓での血中抗原提示の障害が想定されるなど、病態の機序を考察しました。天野先生の受賞を神経内科同門の皆でお祝いをしてその栄誉を称えたいと思います。

横田隆徳