DNA/DNA2本鎖核酸による効率的な遺伝子抑制を達成

核酸医薬のリーティングでヌシネルセンを開発した米国IONIS Pharmaceuticalsとの共同研究で、DNA/DNA2本鎖を基本とする新規分子構造がアンチセンス核酸の効果を高めることを浅見先生、永田先生、吉岡先生を筆頭著者としてDNA/DNA 2本鎖核酸創生の論文がMolecular Therapy (Impact factor 8.986)に2020年12月7日にオンライン版で発表され(PMID: 33290725, DOI: 10.1016/j.ymthe.2020.10.017)、12月8日に本学からプレスリリースされました (http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20201208-1.pdf)。

我々が開発したDNA/RNAヘテロ二本鎖核酸は従来のアンチセンス核酸と比較して優れた遺伝子抑制効果を発揮することを報告してきましたが、DNA/DNA2本鎖を基本とする構造でもアンチセンス核酸の効果を高めることを示しました。DNA/DNA2本鎖とDNA/RNA2本鎖は化学構造も生物学的機序も異なりますが、この発見によってヘテロ核酸の生物学的機序はより複雑になりますが、分子構造の自由度が飛躍的に高まり、疾患治療の目的にあった設計が可能になりました。我々が開発したヘテロ二本鎖核酸は2本鎖アンチセス核酸としてより広い概念としてその本質が見えてみえてきたように思います。

横田隆徳